よく診る手の疾患

手の疾患は使いすぎが原因と言われます.しかしいくら手を使っても痛くならない人もいます.

例えば手根管症候群のように更年期に好発する疾患も多く,病気になりやすい体質があります.

慢性化すると治りづらくなってしまうので,早く治る治療を目指します.体質改善に漢方薬も使います.


母指CM関節症



物をつかんだり,つまんだりした時に親指の付け根に痛みがあります.

使いすぎによる靱帯のゆるみと軟骨のすり減りが原因です.

草むしりで悪化します.予防が大切です.


ドゥケルバン腱鞘炎


親指を立てたり,手首をひねると手首の親指側に痛みが走ります.

もともとなりやすい体質があります.

最近スマホも原因になります.


上腕骨外側上顆炎


物を持ち上げたとき肘の外側が痛くなります.

手首を動かす筋肉のスジ(青丸)が使いすぎで痛んだことが原因です.

別名テニス肘といわれますが,大多数は中年の主婦に発生します.

漢方薬で治療します


バネ指


指の付け根が痛くなり,指がこわばったり,本体は指を曲げる腱の腱鞘炎です.伸ばす時指がコクッとなることがあります.腱鞘(A)で腫れた腱が引っかかるためです.

更年期以降の女性や指を使う労働者に好発します.

使いすぎは悪化原因ですが,もともとなりやすい体質があります.


手根管症候群


更年期以降の女性に好発し,親指から薬指にかけてしびれます.特に夜中から明け方にしびれやすくなります.

正中神経(黄色矢印)が手のひらの下の靱帯(青矢印)で圧迫されるのが原因です.

ひどくなると親指の付け根の筋肉(赤矢印)が痩せて麻痺するため,小さな物がつまみにくくなります.これでは手遅れなので早めの治療が必要です